最近、「在宅ワーク」という言葉をSNSでよく見かけるようになりました。
かくいう私も、現在は在宅でWEBライターとして仕事をしており、「自宅で働ける」という働き方の自由さや可能性にとても魅力を感じています。
そんなある日、InstagramのDMにこんなメッセージが届きました。
「同世代で在宅ワークを作りたくて投稿を見てお声かけさせて頂きました。
今までの生活が一変する在宅ワークチーム作りたくて…在宅ワークをお考えでしたらぜひ一緒にお仕事していきませんか?」
軽いやり取りのはずが、思わぬ方向に話が進み、最終的には“ある正体”が見えてきました。
在宅ワークをしている人なら誰でも直面する可能性がある甘い誘いとその裏側。
この記事では、私自身の体験を元に、実際に受けたMLMの勧誘DMとその見抜き方を、リアルな体験を通してお伝えします。同じような被害に遭わないためにも、自由な働き方を求めて在宅ワークを目指す方は、ぜひこの記事を読み正しい情報と見極め力をつけましょう。
私が受け取った一本のDMから始まった物語
ある日、Instagramの通知に気づき、何気なくDMを開いたときのこと。
見知らぬアカウントから、こんなメッセージが届いていました。
「同世代で在宅ワークを作りたくて投稿を見てお声かけさせて頂きました。
今までの生活が一変する在宅ワークチーム作りたくて…在宅ワークをお考えでしたらぜひ一緒にお仕事していきませんか?」
プロフィールを見ると、20代後半くらいの女性。
投稿もキラキラした日常や、ポジティブな言葉が並んでいて、フォローもフォロワーも200人以内の一見するとごく普通の人でした。
当時の私は、在宅でWEBライターの仕事をコツコツこなす毎日。
「同じように在宅ワークをしている人とつながれるならちょっと面白いかも!」と好奇心旺盛に思いました。
軽い気持ちで「いいですね!私は、我が道は自分で切り開かないと!という一心で在宅してます」と返信してみたのです。
やり取りの中では、
20代後半くらいの女性:「私も、我が道は自分で切り開かないと!って一心です!どんなお仕事をされてるんですか?」
筆者:「WEB系ですね!主にライターをしています。」
20代後半くらいの女性:「働き方、すごく素敵ですね!私も場所にとらわれない働き方を目指していて…ライター業の他にも在宅ワークをお考えでしたらぜひ一緒にお仕事していきたいです。」
といった言葉が並び、どこか温かい雰囲気すら感じていました。
この人もWEB関係かな?他の在宅って動画編集やWEBデザインとか?さすがにここでティッシュのチラシ入れの内職ですとか言われたら飲んでたお茶吹くで?くらいに思いながら、しばらくやり取りを続けていました。
この日は、軽いやり取りをしただけで、特に気になることはありませんでした。
話を深掘りして見えた“正体”
翌日の朝。届いたメッセージを読んで、私は一気に“違和感”を覚えることになります。
20代後半くらいの女性:「まずは簡単な自己紹介を、、、私は、本業は会社員をしながら美容・健康や不動産などのお仕事を在宅でしています。今募集しているのは、一緒に美容・健康のお仕事を中心とした在宅ワークのメンバーです。無在庫・ノルマ無しなのでノーリスクになります。」
——おいおい、昨日のテンションどこいった?
と、思わず心の中でツッコんでしまいました。
前日はふんわりとした雰囲気で、在宅ワーク仲間を作ってるというような話だったのにも関わらず、急にビジネス色全開。
しかも、美容・健康や不動産と、ジャンルがあまりにもバラバラで一貫性がなく違和感を感じました。
私はあえてシンプルに、「具体的な業務内容はどのようなものなのでしょう?」とだけ返信しました。すると、返ってきたのはこんな内容でした。
20代後半くらいの女性:「お仕事の詳細については、お一人お一人にオンラインで資料をお見せしながらご説明させていただけたらと思います!そちらの方がご理解されやすいと思うので!1時間ほどZOOMかLINEのビデオ通話は可能でしょうか?」
この時点で、私の中である記憶がフラッシュバックします。
——これは、過去に聞いた「MLM」の典型的な流れだと。
💡「MLM」とは・・・マルチレベルマーケティングの事 |
- 会話の序盤は曖昧な表現で興味を引きつける
- 仕事内容を詳しく聞くと、なぜか「オンラインで説明」と言われる
- 実際の業務内容や報酬、商品などの情報は出てこない
さらに、SNSをチェックすると、その人のプロフィールには“成功している雰囲気”の投稿が並んでいましたが、やはりどこか不自然で、仕事内容や取り扱っている商品名などは一切見当たりませんでした。
この時点で私は「これはWEBマーケティングでも、ちゃんとしたビジネスの話でもない」と、確信しました。
でも、そこで終わらせるのはもったいない、なぜなら私はライターだからです。
他の人が同じように騙されないためにも、このエピソードは記事にすべきだと“脳内変換”。
ここからは情報収集モードに切り替え、私はこう返信をしました。
筆者:「ご連絡ありがとうございます。お話いただいた内容に関して、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか? 美容・健康や不動産などの職種とのことですが、それぞれどのような業務内容になるのか、報酬や条件について教えていただくことは可能でしょうか? ご確認のほどお願い致します。」
ここからは、私のターン!と思いながら、相手の反応を待つことにしました。その後、相手から返ってきたのはこんな返信でした。
20代後半くらいの女性:「弊社は健康美容の製品を取り扱ったMLMの会社となります。
収入面・人脈面・集客面など、いろいろな角度でお力になれる可能性が高くお話させていただくことが多いです。
実際に、文面や書面でのご説明には限界がありまして……無理にやらなくても全然かまいませんので、誤解を生まないためにも一度顔合わせしながら皆さんにお話を聞いていただいています。」
——完全に、黒。
私の中で「やっぱりそうか」という確信に変わりました。
というか、こっちは普段から文面で伝えるプロなんですけど!?
「書面での説明に限界」なんて言われても、思わず心の中でツッコミが止まりません。
ここまで情報が揃えば十分。私は丁寧にこう返信しました。
筆者:「なるほど!マルチメディアマーケティングだったのですね。興味がないため、お話お断りさせていただきます。」
すると、それまであんなに積極的だった相手は、
あっけなくフォローを外し、そのまま連絡も途絶えました。
このようにして、私は一連のやり取りの中からMLMの正体を見抜きました。
でも、私のように少しでも知識がなければ、甘い言葉や雰囲気に飲まれてしまうこともあるかもしれません。
だからこそ、この記事を通じて、こういった誘いの中に潜む危険と、WEBマーケティングとの違いをしっかり伝えていきたいのです。次の章で違いについてみていきましょう。
WEBマーケティングとMLMはまったくの別物です!
今回の出来事を通して、一番強く感じたのはここです。
「WEBマーケティングとMLM(マルチ商法)を一緒にしないでほしい!」
どちらも「マーケティング」という言葉が含まれていたり、SNSを活用するといった点で一見似ているように見えるかもしれません。でも、中身はまったくの別物。
むしろ真逆と言っていいほどです。
では、具体的に何が違うのか?簡単に比較してみましょう。
WEBマーケティングとは?
WEBマーケティングは、ネット上で商品やサービスを「必要としている人に正しく届ける」仕組みのことです。
広告運用・SEO対策・SNS発信・コンテンツ制作・メルマガなど、多くの戦略やスキルが存在し、それぞれの目的やターゲットに合わせて活用されます。
・価値のある情報やコンテンツを提供する
・ 顧客ニーズに応じて改善し続ける
・あくまでも「相手目線」で考える
という姿勢がベースにあります。
MLM(マルチメディアマーケティング)とは?
一方、MLM(マルチ商法)は、人を介して商品を販売するビジネスモデルです。紹介によってネットワークを拡大し、その人数に応じて報酬が支払われる仕組み。
もちろんすべてが違法というわけではありませんが、
・実際の売上よりも「人を勧誘すること」で収益を得る構造
・内容を明かさず、やたらと対面や通話を要求する
・商品自体の価値よりも“権利収入”などの夢を強調する
といった手法が多く、「不透明さ」「押しつけがましさ」「閉鎖的な空気」があるのも特徴です。
同じ“マーケティング”でも、ここまで違う
私たちWEBマーケターは、ユーザーの悩みやニーズに寄り添いながら、自発的に「知りたい」と思ってもらえる情報を提供することを大切にしています。
それに対して、MLMの多くは「情報の開示を避けながら勧誘し、直接会話で落とす」スタイル。
この時点で、ビジネスとしての考え方も、倫理観もまったく違います。だからこそ、あえてはっきり言わせてください。
WEBマーケティングとMLMは、似て非なるもの。
「在宅ワーク」や「SNSを使ったビジネス」という言葉だけで、簡単に混同してほしくないんです。
こんな勧誘には要注意!見抜くための3つのサイン
「まさか自分が…」と思うかもしれませんが、実はSNS上には、誰もが巻き込まれてしまいそうな“巧妙な勧誘”がたくさんあります。
だからこそここでは、私が今回のやり取りを通じて感じた怪しい勧誘の見抜き方を、3つのサインとして紹介します。
これを知っておくだけで、かなりの確率で怪しい話を回避できるはずです!
サイン①:具体的な仕事内容を聞いても、はぐらかされる
普通の仕事の募集であれば、「どんな業務で」「どんなスキルが必要で」「報酬はどのくらいか」が最初に明示されるはずです。
それが、何度聞いても「詳しくはオンラインで」「資料を見ながら説明します」と言われる場合は要注意。
中身を隠されたまま誘導される勧誘には、絶対に乗らないでください。
サイン②:やたらとポジティブな言葉で包んでくる
「一緒に成長できる仲間がいます」「自由な働き方を叶えたい人へ」「ノーリスクで副収入を」これらは一見魅力的に聞こえますが、具体性のない前向きワードが多すぎるときも危険信号。
聞こえのいい言葉ばかりで、仕事の本質を語っていない場合は冷静に一歩引いてみて。
サイン③:ビデオ通話や対面にこだわる
「文章では伝わりにくいから」「一度お顔を見てお話ししたい」などと、すぐに通話や対面を求めてくる場合も、疑ってかかるべきポイント。
本当に信頼できるビジネスなら、文面だけでもある程度の説明はできるはずです。
この流れがある時点で、「おや?」と違和感を持てるようにしておきましょう。
【まとめ】安心して働くために、あなたに伝えたいこと
在宅ワークやSNSで稼ぐといったキーワードが広まった今、便利な時代になった一方で、それを“利用する側”の人たちも増えています。
でも、すべての在宅ワークやSNSビジネスが怪しいわけではありません。正しい知識と視点さえ持っていれば、ネットの力でしっかり仕事をつくっていくことは可能です。
私がこの記事で伝えたかったことは、「知識があれば、防げる被害がある」ということ。
私も、はじめは「WEBマーケティングの話かな?」と思っていました。
でも違和感を無視せず、質問を投げかけ、相手の反応を見ることで、自分を守ることができました。
そして何より、仕事を選ぶ上で大切なのは、「誰と、どんな価値を提供するか」という視点です。在宅ワークは、自由で魅力的な働き方です。
だからこそ、正しいチャンスと巧妙な罠を見分ける力を、ひとりでも多くの人に持っていてほしい。そして、少しでも「違和感」に気づけたら、勇気を持って距離を取ってくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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